日本の菜種輸入、過去最高の240万トンか−大豆高騰で代替需要 (Bloomberg.co.jpから引用)

将来、円安に振れたときは価格が相当上がってしまう。今のうちから休耕農地をなくし、農業生産高を効率よく国内であげることで食料を確保することを考える。

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10月25日(ブルームバーグ):大豆価格が高騰している影響を受けて、日本の菜種の年間輸入量が過去最高を更新する見通しだ。国内植物油メーカーが大豆価格の上昇分を大豆油や脱脂大豆の製品価格に転嫁しづらく、その代替として菜種油の生産を増やしているためだ。

植物油生産者の業界団体である日本植物油協会の神村義則・専務理事が23日、ブルームバーグ・ニュースの取材で見通しを明らかにした。2012年の菜種の輸入量は過去最高を記録した10年の230万トンを上回るとの見方を示し、「240万トン程度に達するだろう」と予想した。一方、油糧輸出入協議会によると、大豆の輸入量は前年比4.6%減の270万トンと、過去43年間で最低の水準になる見通し。

神村氏によると、日清オイリオグループJ−オイルミルズ昭和産業など植物油生産者は国内のデフレ経済のもとで大豆価格の上昇分を製品価格に十分転嫁しづらい状況にあるという。大豆価格が高止まりし、「油だけでなく菜種かすのエサ需要も増えている」と説明した。

大豆や菜種から油を搾った後にできる大豆かす(ミール)や菜種かすはともに豚、鶏などの家畜飼料の原料として使用される。神村氏は、日本の「菜種の年間搾油能力は240万−250万トン程度だが、今年はその能力いっぱいに近づいている」と述べた。

大豆、大豆かすの国際指標となるシカゴ商品取引所(CBOT)の先物中心限月はそれぞれ昨年12月から上昇し始め、9月4日に過去最高値まで上昇した。大豆は1ブッシェル当たり17.89ドル、大豆かすは2000ポンド当たり541.80ドルに達した。

米国の干ばつの影響

主産国である米国の干ばつの影響で、今年度の生産量が米農務省(USDA)の見通し以上に落ち込む可能性があるとの見方から買いが入った。その後、大豆は15ドル付近で推移し年初来で27%程度上昇、大豆かすは480ドル付近で50%程度上昇し、原料である大豆の上昇率を大きく上回っている。

大豆かすは安価なインド産が、核開発計画に対する経済制裁で欧米から調達できなくなったイラン向けの輸出が増えた影響で、日本向けが減少した。インドは日本への最大輸出国。

商品先物取引業務を手掛けるフジトミの斉藤和彦チーフアナリストは、国内植物油メーカーの菜種需要について、「大豆の代替物として需要は増えざるを得ない」との見方を示した。大豆は「中国の輸入量が高い水準を維持している一方、ブラジルなどの南米産の出荷は早くても来年3月になる見込みで相場の高止まりは続くだろう」と述べた。

農林水産省のまとめによると、日本の菜種の輸入量は12年1−8月累計が前年同期比1.6%増の158万トン。そのうち9割強がカナダ産。一方、大豆輸入量は2.6%減の190万4966トン、大豆かすは1.8%減の150万9571トン。7月の飼料生産量は190万トン。菜種かすはそのうち4.7%を占め、大豆かすは12.5%を占める。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 宋泰允 ysong9@bloomberg.net;東京 Aya Takada atakada2@bloomberg.net

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更新日時: 2012/10/25 13:37 JST
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